WordPress 6.0 をチェックしています

WordPress6.0 を チェック
WordPress6.0 RC1 が 公開されました。 WordPress6.0 は 2022年5月24日に リリースされる予定なので いろいろチェックをしています。

その中の WordPress6.0 で気がついたところを取り上げていきます。
これから追加・変更があるかもですので、説明や画像等がリリース時と違う場合もありますが随時チェックしていく予定です。

リリースまでのスケジュールは WordPress 6.0 Development Cycle に載っています。

WordPress 6.0 Beta1 https://wordpress.org/news/2022/04/wordpress-6-0-beta-1/
WordPress 6.0 Beta2 https://wordpress.org/news/2022/04/wordpress-6-0-beta-2/
WordPress 6.0 Beta3 https://wordpress.org/news/2022/04/wordpress-6-0-beta-3/
WordPress 6.0 Beta4 https://wordpress.org/news/2022/05/wordpress-6-0-beta-4/
WordPress 6.0 RC1 https://wordpress.org/news/2022/05/wordpress-6-0-release-candidate-1/
WordPress 6.0 RC2 https://wordpress.org/news/2022/05/wordpress-6-0-release-candidate-2-rc2-now-available-for-testing/
WordPress 6.0 RC3 https://wordpress.org/news/2022/05/wordpress-6-0-release-candidate-3-rc3-now-available-for-testing/

2022/05/25 リリースされました。
WordPress 6.0 Arturo https://wordpress.org/news/2022/05/arturo/

 

Gutenberg ブロックエディタ

WordPress5.9では「Gutenbergプラグインver11.9」でしたが WordPress5.9では「Gutenbergプラグイン(ver13.0)」が組み込まれました。
これらGutenbergプラグインの過去のバージョンの記事を見る事で 何が変更して追加されたか を見る事ができます。

グーテンベルクの新機能 ver13.0 グーテンベルクの新機能 ver12.9 
グーテンベルクの新機能 ver12.8 グーテンベルクの新機能 ver12.7 
グーテンベルクの新機能 ver12.6 グーテンベルクの新機能 ver12.5 
グーテンベルクの新機能 ver12.4 グーテンベルクの新機能 ver12.3 
グーテンベルクの新機能 ver12.2 グーテンベルクの新機能 ver12.1 
グーテンベルクの新機能 ver12.0

 

新しいブロック

ブロックに以下のブロックが追加されました。(12.4)

■デザインカテゴリ
WordPress6.0 新しいブロック
重ね 縦積み(Stack) ブロックを縦に並べます。
重ね 縦積み(Stack)ブロックは 横並びブロック同様にグループブロックの派生版でブロックを縦に並べるようになります。


■テーマカテゴリ
WordPress6.0 新しいブロック
アバター(Avatar) ユーザーのアバターを追加します
続きを読む(Read More) 投稿、固定ページ、その他のコンテンツタイプのリンクを表示します。
投稿コメントフォーム(Post Comments Form) 投稿コメントフォームを表示します。
投稿者の経歴(Post Author Biography) 作者の経歴。

 

ブロックロック

ブロックをロックできるようになりました。(12.9)
WordPress6.0 ブロックロック
ブロックを選択後、3点リーダーよりロックを選択してください。
ロックされたブロックの一部のアクションを無効にできます。ブロックがロックされている場合、ユーザーはブロックを移動、削除を行うことができません。

簡単にロック解除できるのとネストした部分はロックがかかっていない等の理由で 今のところイージーミスを防ぐ役割程度ですが 今後機能も強化していきそうです。

【参考】Block Editor: Introduce block locking UI #39183
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/39183

【参考】WordPress 6.0 To Ship New Block Locking Feature
https://wptavern.com/wordpress-6-0-to-ship-new-block-locking-feature

【参考】Block Locking Settings in WordPress 6.0
https://make.wordpress.org/core/2022/05/05/block-locking-settings-in-wordpress-6-0/

 

グループブロック

グループブロックに margin(top/bottom) が追加されました。(12.7)
WordPress6.0 グループブロック
表示してない場合はブロックを選択後、「寸法」横の3点リーダーをクリックしてください。
設定できるのは上・下だけです。

【参考】Group Blocks: Add margin support (top/bottom).
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/37344

 

ギャラリーブロック

ギャラリーブロック内の画像間のスペース(gap)を設定できるようになりました。
WordPress6.0 ギャラリーブロック
あわせて、画像間隔のプロパティを margin から gap へ変更されました。
デフォルトは –wp–style–gallery-gap-default (0.5em) です。

【参考】Gallery block: add gap support #38164
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/38164

 

ボタンブロック

ボタンブロックでは、既存のボタンに新しいボタンを挿入するときに、隣接するボタンのスタイルを維持して挿入するようになりました。(12.5)

新規で既存のボタンの横にボタンを追加した状態(WordPress5.9.3)
WordPress6.0 ボタンブロック

新規で既存のボタンの横にボタンを追加した状態(WordPress6.0)
WordPress6.0 ボタンブロック

【参考】Buttons: Preserve styling from adjacent button blocks when inserting a new button block #37905
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/37905

 

ブロック変換

ブロック変換では変換可能なブロックが追加されました。
また、変換する際には色やフォントサイズなどの一部のスタイルが維持されるようになりました。(12.6)

 

カテゴリブロック、タグクラウドブロック変換にそれぞれ タグクラウドブロック、カテゴリブロック が追加されました。(12.6)
WordPress6.0 カテゴリブロック
【参考】[Block Library]: Add transform between Tag Cloud and Categories #38566
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/38566
 

グループブロックでは「 横並び」「重ね 縦積み(Stack)」へ変更することができるようになりました。(12.6)
WordPress6.0 グループブロック
【参考】[Block: Group] Add transform to row variation #36202
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/36202

 

カレンダーブロックの変換にアーカイブブロックが追加されました。(12.6)
WordPress6.0 カレンダーブロック
【参考】Add transform between calendar and archives #38324
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/38324

 

段落ブロックの変換にコードブロックが追加されました。(12.6)
WordPress6.0 段落ブロック
【参考】Code block: add core/paragraph in transforms object
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/38295

 

複数のブロックを選択すると、ツールバーの「グループブロック」「 横並びブロック」「重ね 縦積み(Stack)ブロック」への変換バリエーションが表示されます。
WordPress6.0 変換バリエーション
【参考】Group: Add group block variations to Group toolbar #39920
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/39920

 

タグクラウドブロック

タグクラウドの最小・最大サイズを設定できるようになりました。
WordPress6.0 タグクラウドブロック

 

カテゴリ/タグのリマインダー

公開にする時に投稿にカテゴリやタグを設定していない場合、事前公開パネルに提案するようになりました。(12.4)
WordPress6.0 カテゴリ/タグのリマインダー
【参考】Suggest picking a category on the pre-publish panel #37703
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/37703

 

リストビューの改善

リストビューでは複数のブロックを選択し、それらをドラッグアンドドロップして移動することができるようになりました。(12.7)
WordPress6.0 リストビュー
【参考】List View: Add multi-select behaviour for blocks when shift key is selected #38314
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/38314
 
また、リストビューを開いてる状態で エディタ内のブロックを選択すると、選択したブロックが表示されるようにツリーが展開するようになりました。(12.7)
【参考】Expand block list tree on selection. #35817
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/35817

 

カバーブロック

アイキャッチ画像設定済の場合、カバーブロックの画像設定でアイキャッチを選択できるようになりました。(13.0)
WordPress6.0 カバーブロック
【参考】Makes cover block dynamic and adds featured image binding #39658
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/39658

 
 

フルサイト編集(FSE)

ブロックテーマを使う際に利用する「フルサイト編集」もだいぶん細かい所を設定できるようになりました

WordPress6.0 フルサイト編集今回注目していたのはフルサイト編集の「ベータ」が 外れるかどうかですが、「ベータ」のままでした。
「ベータ」だと、この先どう仕様が変わるか なので、まだユーザーにおすすめできないですね。

コードエディタをサイトエディタに追加

これ欲しかったやつ。サイトエディタにもコードエディタが使えるようになりました。(12.5)
WordPress6.0 コードエディタ
【参考】Add: Code editor to edit site #37765
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/37765

 

複数のスタイルセット

ブロックテーマに、複数のスタイルセットをテーマに設置できるようになりました。(12.5)
テーマフォルダに「styles」フォルダを作成してスタイルセットを設置するとテーマエディタのスタイルで反映させる事ができます。

スタイルセットと言っても 内容はtheme.jsonなので色だけではなく typography や layout、duotone等 いろいろ変更できるので面白いかもです。

ここのサンプルでは dark.json を「styles」フォルダに設置することで「simple “dark mode”」に切り替えることができるようになります。
【サンプル】dark.json
https://gist.github.com/kjellr/1307387f8d97e84662c4b07af873a896

 

TwentyTwenty-Two(ver1.2) では 早速 blue.json/pink.json/swiss.json が設置され、切り替えれるようになっています。
①サイトエディタのスタイルアイコンをクリックして「表示スタイル」をクリック。
WordPress6.0 スタイルセット

②お好みのスタイルを選んでクリックしてください。
WordPress6.0 スタイルセット

③「Pink」をクリックした状態。
WordPress6.0 スタイルセット

【参考】Core Editor Improvement: Choose your Style
https://make.wordpress.org/core/2022/03/03/core-editor-improvement-choose-your-style/

 

Webfonts API

ブロックテーマでのタイポグラフィツールでは個別にフォントを変更できるようになりましたが、ウェブフォント にも対応するようになりました。(12.4)
フォントファィルをテーマに設置してtheme.json で宣言するだけで使えるようになります。
※今のところ、ローカルフォントのみのサポートで、個別にフォントを変更できるブロックは限られていますが 将来拡張してくれるでしょう。たぶん

【参考】Webfonts API #37140
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/37140

【参考】Webfonts: Add internal-only theme.json webfonts handler – WP 6.0 stopgap #40493
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/40493

【参考】Theme.json typography options
https://fullsiteediting.com/lessons/theme-json-typography-options/

 

テーマをエクスポート

テーマをエクスポートする場合、WordPress5.9ではテンプレートだけでしたが、WordPress6.0から テーマ内のすべてのファイルが含まれるようになりました。(12.9)
WordPress6.0 テーマをエクスポート
【参考】Theme Export: Export the whole theme #39202
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/39202

 

新しいテンプレートタイプ

テンプレートを新規作成する際に選択できるテンプレートタイプが追加されました。
WordPress6.0 テンプレートタイプ
【参考】Site Editor: Add more template types #39353
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/39353

 

Query Loopブロック

クエリーループブロックがわかりやすくなりました。(12.5)
WordPress6.0 Query Loop
新規設置後にレイアウトを選択するようになったり、レイアウトバターンも追加されました。

 

テーマにブロックパターン

テーマにパターンを設置する事が簡単になりました。(12.9)
パターンファイルを作って「patterns」フォルダに入れるだけです。

【参考】New features for working with patterns and themes in WordPress 6.0
https://make.wordpress.org/core/2022/05/02/new-features-for-working-with-patterns-and-themes-in-wordpress-6-0/

【参考】Block Patterns: Automatically load headered files from a theme’s /patterns directory #36751
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/36751

 

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開発者向け

WordPress6.0 ではいろいろな機能やアクションフィルターが追加されています。
そのなかで ぉ! と思ったのを紹介します。

apply_filters

apply_filtersのパラメーターに可変長引数が追加されました。

今まで
apply_filters( $hook_name, $value )

WordPress6.0から
apply_filters( $hook_name, $value, …$args )

【参考】Make apply_filters() variadic
https://core.trac.wordpress.org/ticket/53218

ちな、do_action は 5.3 からこうなってます。
do_action( $tag, …$arg )

 

新しいフィルター/アクション

新しいフィルターとアクションが追加されました。

新しいフィルター
register_{$post_type}_post_type_args
register_{$taxonomy}_taxonomy_args
wp_content_img_tag

新しいアクション
registered_post_type_{$post_type}
registered_taxonomy_{$taxonomy}

 

【参考】Object type specific registration hooks in 6.0
https://make.wordpress.org/core/2022/05/02/object-type-specific-registration-hooks-in-6-0/

【参考】add post_type-specific version of the register_post_type_args filter
https://core.trac.wordpress.org/ticket/53212

【参考】New filter to modify content images in WordPress 6.0
https://make.wordpress.org/core/2022/04/27/new-filter-to-modify-content-images-in-wordpress-6-0/

 

自動アンカー

WordPress5.9から採用された「見出しの自動アンカー生成」がオプトインになりました。
この機能を有効にするには、次を追加するだけです。

add_filter(
	'block_editor_settings_all',
	static function( $settings ) {
		$settings['__experimentalGenerateAnchors'] = true;
		return $settings;
	}
);

【参考】Block Editor: Add settings to enable/disable auto anchor generation #38780
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/38780

 

ファイルサイズ

メディアライブラリでファイルをアップロードするとファイルのサイズがメタデータに入るようになりました。
ファイルサイズは wp_get_attachment_metadata で見ることができます。

【参考】Media: storing file size as part of metadata
https://make.wordpress.org/core/2022/05/02/media-storing-file-size-as-part-of-metadata/

 

区切りブロック

区切りブロックに class 「has-alpha-channel-opacity」「has-css-opacity」が追加されました。
これは WordPress6.0から区切り色によってアルファチャネルが変わるため、従来の設定に合わせるように CSSで固定指定でるようにするためです。

【参考】Separator block: Updated to use block supports color settings
https://make.wordpress.org/core/2022/05/03/separator-block-updated-to-use-block-supports-color-settings/

 

PHPMailerを6.6.0に更新

メールを送信するモジュール「PHPMailer」が v6.6.0へバージョンアップされました。
特に気にする必要はありませんが、問い合わせ等のメールテストはしといた方がいいです。

【参考】PHPMailer 6.6.0
https://github.com/PHPMailer/PHPMailer/releases/tag/v6.6.0

 

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WP Multibyte Patch

毎回 言いますが WordPress5.0から 必須のプラグインで 日本語版パッケージに 付属してた「WP Multibyte Patchプラグイン」は含まれなくなっています。
だいたい いけるようにはなってますが 日本語で使う場合は やっばり必ず 最新版をインストール → 有効化 してくださいね。

【参考】WordPress 5.0 利用開始前に知っておくべきこと
https://ja.wordpress.org/2018/11/04/things-to-know-before-using-wordpress-5-0/

WP Multibyte Patch プラグイン
https://ja.wordpress.org/plugins/wp-multibyte-patch/

WP Multibyte Patch – EastCoder;
https://eastcoder.com/code/wp-multibyte-patch/

本家版、日本語版 WordPress のマルチバイト文字の取り扱いに関する不具合の累積的修正と強化を行うプラグインです。英語圏で作られた WordPress を日本語環境で正しく動作させるために必要となる機能を網羅していますので、なんらかの対策を行っていない場合は導入をおすすめします。

 
 

バックアップとってね

メジャーアップデートでは必ずバックアップをとるようにしましょう。ファイルとデータベースのバックアップは必ずとるようにしてください。

【参考】
WordPress のバックアップ – WordPress Codex 日本語版
http://wpdocs.osdn.jp/WordPress_%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97

BackWPup – WordPress Backup Plugin
https://wordpress.org/plugins/backwpup/

できれば 本番のバックアップから テスト環境 を作って動作テストをする事をお勧めします。

 
 

ダウングレード

新しいメジャーバージョンのWordPressがリリースされて すぐにバージョンアップしても、今使ってるテーマやプラグインが対応していなくて なんかおかしい場合がよくあります。

こんな時は、対応してくれるまで ひとまず変更前のバージョンのWordPressに戻す という方法もあります。
※今使ってるWordPressのバージョンくらいは覚えといてくださいね。

【参考】WP Downgrade | Specific Core Version
https://ja.wordpress.org/plugins/wp-downgrade/