WordPress6.8 をチェックしています


WordPress6.8 RC1 が 公開されました。 WordPress6.8 は 2025年4月15日に リリースされる予定なので いろいろチェックをしています。

その中の WordPress6.8 で気がついたところを取り上げていきます。
これから追加・変更があるかもですので、説明や画像等がリリース時と違う場合もありますが随時チェックしていく予定です。

※この記事は、新しいブロックテーマ「Twenty Twenty-Five」でテストしています。クラシックテーマでは使えない機能もありますのでご了承ください。

リリースまでのスケジュールは WordPress 6.8 Development Cycle に載っています。

WordPress6.8
https://wordpress.org/news/2025/04/cecil/

 

ブロックエディタ

Gutenberg

WordPress6.7では「Gutenbergプラグインver19.3」でしたが WordPress6.8では「Gutenbergプラグイン ver20.4」までが組み込まれました。
これらGutenbergプラグインの過去のバージョンの記事を見る事で 何が変更して追加されたか を見る事ができます。

Gutenbergの新機能 ver19.4 Gutenbergの新機能 ver19.5 Gutenbergの新機能 ver19.6 Gutenbergの新機能 ver19.7 Gutenbergの新機能 ver19.8 Gutenbergの新機能 ver19.9 Gutenbergの新機能 ver20.0 Gutenbergの新機能 ver20.1/20.2 Gutenbergの新機能 ver20.3 
※Gutenbergの新機能 ver20.4の記事は見当たりませんでした。

ブロックごとのデザインツールの一覧

WordPressのバージョンアップごとに 各ブロックでインサーターで使用できる機能が追加されています。

WordPress6.8では以下のブロックが境界サポートを受けました。
コメント、コメントリンク、コメント数、最新投稿、ページリスト、色と間隔のサポート、コンテンツ、スペースのサポート、RSS、スペースサポート、アーカイブ、カラーサポート、クエリ合計

ここではブロックごとのデザインツールの一覧を確認する事ができます。

【参考】Roster of design tools per block (WordPress 6.8 edition)

Roster of design tools per block (WordPress 6.8 edition)

 

エディター

カスタムフィールド等別の項目を表示している場合、エディターが分割表示されるようになり、それぞれスクロールするようになりした。
表示エリアサイズを変更するには中央のセパレーターを上下にドラッグする事でサイズ変更する事ができます。


 
不動産プラグインの場合

また、画面の高さが550px未満の場合は「メタボックス」で切り替えるようになっています。
コンテンツ部分

カスタムフィールド部分

 
【参考】Split view with meta boxes even with legacy canvas #66706
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/66706

 

カラーピッカー(20.1)

ナビゲーション、ソーシャルアイコン、投稿のおすすめ画像等のカラーピッカーでクリアボタンが追加されました。

【参考】Navigation: Add clearable option to color picker in navigation block #68454
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/68454

 

ドロップダウンのフォントファミリーのプレビュー(19.8)

フォントを変更する時、ドロップダウン部分でフォントがプレビューされるようになりました。

【参考】Font family preview in the font family picker #67118
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/67118

 

カバーブロック(19.6)

カバーブロックに画像解像度オプションが追加されました。

【参考】Cover Block: Add Image Resolution options #62926
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/62926

 

ソーシャル アイコン ブロック(20.3)

ソーシャルアイコンブロックに、Discord アイコンが追加されました。

【参考】Added discord in social links. #68848
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/68848

 

テンプレートの非表示と表示

サイトテンプレートとコンテンツページの編集の切り替えが簡単になりました。
上部のツールバーのプレビュー ドロップダウンで直接 [テンプレートを表示] を切り替えることができるようになった為、必要に応じての切り替えが簡単になりました。

 

 

ツールバーメニュー

ツールバーメニューの項目に「切り取り」が追加されました。

 
 

サイトエディタ

サイトエディタの基本的な操作方法はこちらをご覧ください。

サイトエディタを使用する | WordPress日本語サポート
https://wordpress.com/ja/support/site-editor/

 

データビューページのコンテンツプレビュー(20.1)

データビューは、パターンやテンプレートと同様に、ページのコンテンツを表示する新しいプレビュー機能によって強化されました。
設定でアイキャッチ画像とコンテンツのプレビューを切り替えることができます。

【参考】Add: Media field changing ui to Dataviews and content preview field to posts and pages #67278
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/67278

 

リストビューに表示されるメニュー名(20.1)

リストビューでは、ブロック名「ナビゲーション」の代わりにメニュー名が表示されるようになりました。
ナビゲーションを複数作っている場合、どのナビゲーションを使ってるかわかりやすくなりました。

【参考】Navigation: Surface menu name in the List View next to the Navigation block #68446
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/68446

 

スタイルブック(20.0)

スタイルブックのUIが変更されました。タイポグラフィ、色、個々のブロックのセクションが追加され、変更できるようになりました。

【参考】Give style book its own route so it can be linked to directly. #67811
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/67811

 

固定ページを投稿ページに変更(20.0)

固定ページを投稿ページに変更できるようになりました。
今まではプラグインを使って変更してましたが、サイトエディタ側で簡単に変更できます。

※「ホームページの設定」もできます。

【参考】Pages: Add “Set as posts page” action #67650
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/67650

 

スターターパターン(20.0)

スターターパターンが存在する場合は、新規ページ作成時にスターターパターンが開かれた状態になるようになりました。

 

「設定」でキャンセルする事もできます。

スターターパターンは従来のパターンとは少しヘッダ情報が違います。
TT5でしたら以下のようなスターターパターンがあります。

<?php
/**
 * Title: Business homepage
 * Slug: twentytwentyfive/page-business-home
 * Categories: twentytwentyfive_page, featured
 * Keywords: starter
 * Block Types: core/post-content
 * Post Types: page, wp_template
 * Viewport width: 1400
 * Description: A business homepage pattern.
 *
 * @package WordPress
 * @subpackage Twenty_Twenty_Five
 * @since Twenty Twenty-Five 1.0
 */

?>

<!-- wp:pattern {"slug":"twentytwentyfive/cta-centered-heading"} /-->
<!-- wp:pattern {"slug":"twentytwentyfive/overlapped-images"} /-->
<!-- wp:pattern {"slug":"twentytwentyfive/services-3-col"} /-->
<!-- wp:pattern {"slug":"twentytwentyfive/testimonials-large"} /-->
<!-- wp:pattern {"slug":"twentytwentyfive/pricing-2-col"} /-->
<!-- wp:pattern {"slug":"twentytwentyfive/cta-newsletter"} /-->

「Post Types」で投稿タイプやテンプレートを指定できるようになっています。

【参考】Replace Starter Content modal with inserter panel #66836
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/66836

 

クエリーループブロック

クエリーループブロックに先頭固定表示の投稿動作を無視するオプションが追加されました。

【参考】Query block: Add option to ignore sticky posts behavior #69057
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/69057

 

アイキャッチ画像(19.6)

投稿のアイキャッチ画像ブロックに画像解像度オプションを追加されました。

【参考】Featured Image block: Use resolution tool component #68471
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/68471

 

ズームアウトビュー

ズームアウトビューの時、ツールバーメニュー項目ではコピー、切り取り、複製、削除のみに制限されました。

【参考】Keep only copy, duplicate and delete in the zoom out more block toolbar menu item #67279
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/67279

 
 

WordPress Core

Speculative Loading

直訳すると「投機的読み込み」になります。WordPress6.8から導入されました。
ユーザー(ブラウザ)がサイトを移動する前に 先読み(Prefetching)/事前レンダリング (Prerendering) /事前接続 (Preconnecting)をする事で、ほぼ瞬時のページ読み込み時間を実現できる機能になります。
体感速くなるという事です。

【参考】Speculative Loading in 6.8
https://make.wordpress.org/core/2025/03/06/speculative-loading-in-6-8/

【参考】WordPress 6.8新機能のSpeculative Loadingについて徹底解説!
https://www.prime-strategy.co.jp/column/archives/column_9318

 

パスワードハッシュにbcryptを使用する

ユーザーのパスワードをハッシュ化してデータベースに保存するために使用される基礎アルゴリズムが、phpass から bcrypt に変更されました

【参考】WordPress 6.8 will use bcrypt for password hashing
https://make.wordpress.org/core/2025/02/17/wordpress-6-8-will-use-bcrypt-for-password-hashing/

 

PHPMailerを6.9.3に更新

メールを送信するモジュール「PHPMailer」が v6.9.2 から v6.9.3 へバージョンアップされました。
特に気にする必要はありませんが、問い合わせ等のメールテストはしといた方がいいです。

 
 

開発者向け

WordPress6.8 ではいろいろな機能やアクションフィルターが追加されています。
そのなかで ぉ! と思ったのを紹介します。

wp_is_block_theme

テーマがブロックテーマかどうか判別する関数「wp_is_block_theme」を使う場合、テーマファイルを読み込む前に呼びされるとWordPress6.8から警告が出るようになりました。

 

新しい関数/フィルター

新しい関数/フィルター<の一部を紹介します。
●render_block_core_navigation_link_allowed_post_status
【参考】Introduce new filter “render_block_core_navigation_link_allowed_post_status” #63181
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/63181

 

非推奨になった関数

■wp_add_editor_classic_theme_styles()
スタイルはエンキューされ、body要素にはプリントされません。

 

Field Guide

もっと他にも細かく知りたい場合はこちらのサイトでまとめられていますので御一読ください。

Updates to user-interface components in WordPress 6.8
https://make.wordpress.org/core/2025/03/25/updates-to-user-interface-components-in-wordpress-6-8/

Miscellaneous Block Editor Changes in WordPress 6.8
https://make.wordpress.org/core/2025/03/25/miscellaneous-block-editor-changes-in-wordpress-6-8/

WordPress 6.8 Field Guide
https://make.wordpress.org/core/2025/03/28/wordpress-6-8-field-guide/

 
 

おまけ

先月から WordPress Slack内で Matt Mullenweg から提案されてたそうですが、今回公式にアナウンスされました。
今まで年3回ほどメジャーバージョンアップしていたWordPressコアですが、今後は年1回になるそうです。

Dotorg Core Committers Check In
https://make.wordpress.org/core/2025/04/04/dotorg-core-committers-check-in/

 
 

バックアップとってね

メジャーアップデートでは必ずバックアップをとるようにしましょう。ファイルとデータベースのバックアップは必ずとるようにしてください。
 
【参考】WordPress のバックアップ – WordPress サポート
https://ja.wordpress.org/support/article/wordpress-backups/

できれば 本番のバックアップから テスト環境 を作って動作テストをする事をお勧めします。

 
 

ダウングレード

新しいメジャーバージョンのWordPressがリリースされて すぐにバージョンアップしても、今使ってるテーマやプラグインが対応していなくて なんかおかしい場合がよくあります。

こんな時は、対応してくれるまで ひとまず変更前のバージョンのWordPressに戻す という方法もあります。
※今使ってるWordPressのバージョンくらいは覚えといてくださいね。
 
【参考】WP Downgrade | Specific Core Version
https://ja.wordpress.org/plugins/wp-downgrade/