WordPress6.6 RC1 が 公開されました。 WordPress6.6 は 2024年7月16日に リリースされる予定なので いろいろチェックをしています。
その中の WordPress6.6 で気がついたところを取り上げていきます。
これから追加・変更があるかもですので、説明や画像等がリリース時と違う場合もありますが随時チェックしていく予定です。
※この記事はブロックテーマ「Twenty Twenty-Four」でテストしています。クラシックテーマでは使えない機能もありますのでご了承ください。
リリースまでのスケジュールは WordPress 6.6 Development Cycle に載っています。
WordPress6.6 RC1
https://wordpress.org/news/2024/06/wordpress-6-6-rc1/
【2024/07/17】WordPress 6.6 “Dorsey” リリースされました。
https://wordpress.org/news/2024/07/dorsey/
ブロックエディタ
Gutenberg
WordPress6.5では「Gutenbergプラグインver17.7」でしたが WordPress6.6では「Gutenbergプラグイン ver18.5」までが組み込まれました。
これらGutenbergプラグインの過去のバージョンの記事を見る事で 何が変更して追加されたか を見る事ができます。
Gutenbergの新機能 ver17.8 Gutenbergの新機能 ver17.9 Gutenbergの新機能 ver18.0 Gutenbergの新機能 ver18.1 Gutenbergの新機能 ver18.2 Gutenbergの新機能 ver18.3 Gutenbergの新機能 ver18.4 Gutenbergの新機能 ver18.5
ブロックごとのデザインツールの一覧
WordPressのバージョンアップごとに 各ブロックでインサーターで使用できる機能が追加されています。
ここではブロックごとのデザインツールの一覧を確認する事ができます。
【参考】Roster of design tools per block (WordPress 6.6 edition)
https://make.wordpress.org/core/2024/06/20/roster-of-design-tools-per-block-wordpress-6-6-edition/
ブロックの追加/変更機能
WordPress6.6では既存ブロックに新しい機能が追加されています。
但し、デフォルトでは無効になっていたり クラシックテーマでは反映されていない機能(設定にもよりますが)もありますのでご注意ください。
グリッドレイアウト(17.8)
グループブロックに新しくグリッドレイアウトが追加されました。
グリッドレイアウトには 「自動」と「手動」の2つのオプションがありますので自由に設定できるようになっています。
また子要素ではインスペクターの [スタイル] > [寸法] で [列スパン] と [行スパン] の設定を変更することで、グリッドのサイズを特定の行数/列数に変更できます。
【参考】Add Column Start and Row Start controls to Grid children #59483
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/59483
【参考】Allow blocks to be grouped as a Grid #59853
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/59853
Bluesky
埋め込みブロックではBlueskyが追加されました。
アイキャッチ画像を選択
メディアとテキストブロックやカバーブロックでのメディア設定でアップロード・メディアライブラリの他にアイキャッチ画像を選択できるようになりました。
マージンコントロール
編集エクスペリエンスで、今まで出来なかった負のマージン値を直接追加できるようになりました。
【参考】Allow negative values for margin controls #60347
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/60347
カバーブロック(18.5)
カバーブロックにドロップシャドウが設定できるようになりました。
【参考】Enable shadow support for cover block #61883
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/61883
サイトエディタ(フルサイト編集 FSE)
サイトエディタの基本的な操作方法はこちらをご覧ください。
サイトエディタを使用する | WordPress日本語サポート
https://wordpress.com/ja/support/site-editor/
データビュー
現在進行しているGutenbergロードマップのフェーズ3の中で
投稿一覧や固定ページ一覧などのWPリストテーブルが順次、サイトエディタで使えるようになります。
WordPress6.6では固定ページがサイトエディタで使えるようになっています。
【参考】Data Views Update ? June 2024
https://make.wordpress.org/core/2024/06/13/data-views-update-june-2024/
パターンの一括エクスポート(17.8)
複数のパターンを同時にエクスポートできるようになりました。
サイトエディターのパターンセクションでエクスポートするパターンを選択した後、一括編集メニューから「JSONとしてエクスポート」を選択すると、選択したパターンが zipファイルでダウンロードします
代替テンプレートを参照(17.8)
テンプレートとテンプレートパーツでは、類似した関連テンプレートがサイドバーに表示されるようになりました
グローバルスタイルのカラーとタイポグラフィ(17.9)
テーマのバリエーション(stylesフォルダ内〇〇.json)で定義されているカラーとタイポグラフィのプリセットが、グローバルスタイルのカラーとタイポグラフィのセクションに表示されるようになりました。
※タイポグラフィは〇〇.jsonに定義を追加しないとでてきません。
【参考】Global Styles: Try color and typography presets in Site View #59594
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/59594
カスタムCSS(18.5)
WordPress6.5まででは、テーマのバリエーションを切り替えると、すべてのカスタムCSS が失われましたが、
WordPress6.6よりバリエーションを切り替える時にカスタムCSSをコピーするようになりました。
【参考】Copy custom CSS between variations when switching #61752
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/61752
ドロップシャドウ(18.0)
「アイキャッチ画像」でドロップシャドウがサポートされるようになりました。
メディアとテキストブロックでのメディア設定でアイキャッチ画像を設定している場合もドロップシャドウが付きます。
【参考】Add featured image to Media & Text block #51491
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/51491
【参考】Add Box Shadow support for featured image #59616
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/59616
カスタムシャドウ(18.5)
ドロップシャドウをカスタムで作成できるようになりました。
テンプレートインデックス ページ(18.0,18.1)
固定ページやテンプレート・パターン一覧のUIが変わりました。
それぞれプレビューできるリストビューの他に複数の条件を選択できるフィルターも装備されています。
【参考】DataViews: implement multiple selection for filters #59610
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/59610
【参考】Site Editor: update index view for pages #59950
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/59950
【参考】Patterns page: enable table layout #60337
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/60337
背景画像(18.1)
サイトの背景画像を サイトエディタ 又は theme.json でサイトの背景画像を設定できるようになりました。
ここで設定した背景画像は body の background-image で指定されます。
【参考】Site-wide background images in WordPress 6.6
https://make.wordpress.org/core/2024/06/20/site-wide-background-images-in-wordpress-6-6/
【参考】Global styles: background UI controls #59454
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/59454
また、theme.json では 背景画像のURL値として画像の相対パスを設定できるようになりました。
【参考】Background image: add support for relative theme path URLs in top-level theme.json styles #61271
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/61271
WordPress Core
PHP7.0 および 7.1 のサポートを終了
PHP 7.0 および 7.1のサポートは WordPress 6.6 で廃止されます。
サポートされる新しい PHP最小バージョンは 7.2.24 になります。
現在推奨されるPHPバージョンは 7.4~ のままです。
【参考】Dropping support for PHP 7.0 and 7.1
https://make.wordpress.org/core/2024/04/08/dropping-support-for-php-7-1/
Options API
WordPress は 各ページリクエストで 1 回のクエリで複数のオプションを自動的に読み込んでます。
※add_option()で $autoloadを明示的に’no’を指定していない場合。
結果、自動ロードされたオプションの数が多すぎると、データベースの応答が遅くなるかもしれませんので これら調整できるようにOptions APIが変更されました。
【参考】Options API: Disabling autoload for large options
https://make.wordpress.org/core/2024/06/18/options-api-disabling-autoload-for-large-options/
クラシックテーマのパターン
クラシックテーマのパターンがサイトエディターでパターンビューが使えるようになりました。
【参考】Officially expose the Site Editor Patterns page for all classic themes
https://core.trac.wordpress.org/ticket/61109
自動保存
個々の投稿タイプに対して自動保存サポートを無効にできるようになりました
【参考】Changeset 58201
https://core.trac.wordpress.org/changeset/58201
自動更新のロールバック
WordPress6.6 から、更新によってエラーが発生した場合にプラグインを自動的にロールバックするようになりました。
自動更新時にPHPの致命的なエラーが発生した場合、以前にインストールされたプラグインのバージョンが復元(ロールバック)されます。
プラグインのロールバックが発生すると、更新とロールバックが失敗したことを通知するメールがサイトの管理者メール(admin_email)に送信されます。
【参考】Merge Proposal: Rollback Auto-Update
https://make.wordpress.org/core/2024/04/19/merge-proposal-rollback-auto-update/
jQuery
jQuery UI ライブラリがバージョンが 1.13.2 から 1.13.3 に更新されました。
開発者向け
WordPress6.6 ではいろいろな機能やアクションフィルターが追加されています。
そのなかで ぉ! と思ったのを紹介します。
theme.json(18.4)
theme.jsonのバージョン
theme.json のバージョンが v2 から v3 アップグレードされました。
theme.json v3 が使えるのは WordPress6.6 からです。
※v2でもそのまま利用できます。
【参考】Theme.json version3
https://make.wordpress.org/core/2024/06/19/theme-json-version-3/
【参考】v2 から v3 への移行
https://developer.wordpress.org/block-editor/reference-guides/theme-json-reference/theme-json-migrations/#migrating-from-v2-to-v3
【参考】Add defaultFontSizes theme.json (theme.json v3) #58409
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/58409#issuecomment-2078077477
カスタムアスペクト比
画像の切り抜きやレイアウトに標準的なアスペクト比が設定されてますが
theme.jsonで カスタムアスペクト比プリセットを定義できるようになりました。
【参考】Add aspect ratio presets support via theme.json #47271
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/47271
セクションのスタイル設定(18.5)
theme.json でセクション ベースのスタイル設定が可能になりました。
【参考】Block Styles: Extend block style variations as mechanism for achieving section styling #57908
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/57908
【参考】Section Styles
https://make.wordpress.org/core/2024/06/24/section-styles/
【参考】Styling sections, nested elements, and more with Block Style Variations in WordPress 6.6
https://developer.wordpress.org/news/2024/06/21/styling-sections-nested-elements-and-more-with-block-style-variations-in-wordpress-6-6/
グリッドレイアウトタイプ
WordPress6.6から利用できるグリッドレイアウトは theme.json でモードを切り替えりたり子要素の列と行の範囲を設定したりいろいろなカスタムができるようになっています。
【参考】Grid layout type
https://make.wordpress.org/core/2024/06/18/grid-layout-type/
HTML API
WordPress6.2から導入された ブロックマークアップのHTMLタグ属性を調整するためのツール「HTML API」がアップデートされました。
【参考】Updates to the HTML API in 6.6
https://make.wordpress.org/core/2024/06/24/updates-to-the-html-api-in-6-6/
JSX
@wordpress/scripts v28.0~ でビルドが変わりました。
v28.0~ でビルドすると WordPress6.6以降でないとブロックがエディターに表示されませんので注意してください。
【参考】JSX in WordPress 6.6
https://make.wordpress.org/core/2024/06/06/jsx-in-wordpress-6-6/
WordPress6.6 CSS
WordPressが生成するCSSが だいぶん複雑になってきて、追加したCSSが効く効かないのところ。
【参考】WordPress 6.6 CSS Specificity
https://make.wordpress.org/core/2024/06/21/wordpress-6-6-css-specificity/
【参考】CSS Specificity for WordPress 6.6 #61810
https://github.com/WordPress/gutenberg/discussions/61810
クラシックテーマ用デフォルトのフォントと間隔
デフォルトのフォントと間隔のサイズを クラシックテーマ でも設定できるようになりました。
add_theme_support( 'default-font-sizes' ); add_theme_support( 'default-spacing-sizes' );
【参考】Add default-spacing-sizes and default-font-sizes options for classic themes #62252
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/62252
新しい関数/フィルター
●wp_autoload_values_to_autoload
自動ロードする必要があるすべてのデータベース値を返します
●wp_default_autoload_value
明示的な値が渡されないオプションのデフォルトの自動ロード値を決定します。
●wp_max_autoloaded_option_siz
デフォルトでオプションが自動ロードされなくなるサイズしきい値を変更します。デフォルトは150kバイトです。
●wp_theme_files_cache_ttl
ブロックのテーマ パターンを一時的にキャッシュします。
●activate_tinymce_for_media_description
アクセシビリティ: メディアの説明に TinyMCE のフィルターを追加します。
●site_status_autoloaded_options_action_to_perform
●site_status_autoloaded_options_size_limit
●site_status_autoloaded_options_limit_description
大規模な自動読み込みオプションのテストを追加します。
●delete_post_{$post->post_type}
do_action( “delete_post_{$post->post_type}”, $postid, $post ); //wp-includes/post.php
●deleted_post_{$post->post_type}
do_action( “deleted_post_{$post->post_type}”, $postid, $post ); //wp-includes/post.php
非推奨になった関数
■wp_render_elements_support()
代わりに wp_render_elements_class_name を使います
■wp_interactivity_process_directives_of_interactive_blocks()
Field Guide
もっと他にも細かく知りたい場合はこちらのサイトでまとめられていますので御一読ください。
WordPress 6.6 Field Guide
https://make.wordpress.org/core/2024/06/25/wordpress-6-6-field-guide/
Miscellaneous developer changes in WordPress 6.6
https://make.wordpress.org/core/2024/06/25/miscellaneous-developer-changes-in-wordpress-6-6/
WordPress dev-notes-6.6
https://make.wordpress.org/core/tag/dev-notes-6-6/
What’s new for developers? (July 2024)
https://developer.wordpress.org/news/2024/07/10/whats-new-for-developers-july-2024/
【WordPress6.6】theme.json の変更点
https://aki-hamano.blog/2024/06/06/wp6-6-theme-json/
おまけ
Block Bindings API
Block Bindings APIは、新しいブロックを作成することなく既存のブロックの機能が拡張できるようになるAPIです。
Block Bindings APIでは、WordPress6.6で 投稿メタソースを編集できるようになりました。
【参考】Editing custom fields from connected blocks
https://make.wordpress.org/core/2024/06/28/editing-custom-fields-from-connected-blocks/
【参考】Block Bindings: Allow editing in post meta source #61753
https://github.com/WordPress/gutenberg/pull/61753
Interactivity API
Interactivity API が更新されました。
【参考】Updates to the Interactivity API in 6.6
https://make.wordpress.org/core/2024/06/28/updates-to-the-interactivity-api-in-6-6/
WordPress6.7
もう 次のWordPress6.7の計画が発表されました。
リリース予定は 2024年11月12日 になっています。
予定のなかには新しいデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Five」も入っています。
【参考】WordPress 6.7 Planning Proposal & Call for Volunteers
https://make.wordpress.org/core/2024/07/05/wordpress-6-7-planning-proposal-call-for-volunteers/
【参考】WordPress/twentytwentyfive
https://github.com/WordPress/twentytwentyfive
WP Multibyte Patch
毎回 言いますが WordPress5.0から 必須のプラグインで 日本語版パッケージに 付属してた「WP Multibyte Patchプラグイン」は含まれなくなっています。
だいたい いけるようにはなってますが 日本語で使う場合は やっばり必ず 最新版をインストール → 有効化 してくださいね。
【参考】WordPress 5.0 利用開始前に知っておくべきこと
https://ja.wordpress.org/2018/11/04/things-to-know-before-using-wordpress-5-0/
WP Multibyte Patch プラグイン
https://ja.wordpress.org/plugins/wp-multibyte-patch/
WP Multibyte Patch – EastCoder;
https://eastcoder.com/code/wp-multibyte-patch/
本家版、日本語版 WordPress のマルチバイト文字の取り扱いに関する不具合の累積的修正と強化を行うプラグインです。英語圏で作られた WordPress を日本語環境で正しく動作させるために必要となる機能を網羅していますので、なんらかの対策を行っていない場合は導入をおすすめします。
バックアップとってね
メジャーアップデートでは必ずバックアップをとるようにしましょう。ファイルとデータベースのバックアップは必ずとるようにしてください。
【参考】WordPress のバックアップ – WordPress サポート
https://ja.wordpress.org/support/article/wordpress-backups/
できれば 本番のバックアップから テスト環境 を作って動作テストをする事をお勧めします。
ダウングレード
新しいメジャーバージョンのWordPressがリリースされて すぐにバージョンアップしても、今使ってるテーマやプラグインが対応していなくて なんかおかしい場合がよくあります。
こんな時は、対応してくれるまで ひとまず変更前のバージョンのWordPressに戻す という方法もあります。
※今使ってるWordPressのバージョンくらいは覚えといてくださいね。
【参考】WP Downgrade | Specific Core Version
https://ja.wordpress.org/plugins/wp-downgrade/
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